AI発展のタイムライン
チューリングマシンから現代の大規模言語モデルまで
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クルト・ゲーデルが不完全性定理を発表し、十分に強力な形式体系にはその体系内で証明も反証もできない命題が存在することを証明した。この発見は数学界に衝撃を与えただけでなく、後の計算理論と人工知能の発展にも深い影響を及ぼした。
初期理論アロンゾ・チャーチとアラン・チューリングがそれぞれ独立に有名なチャーチ=チューリングのテーゼを提唱した。このテーゼは、効果的に計算可能な関数はすべてチューリング計算可能であると主張するものである。これにより「計算可能性」という直感的な概念が形式化され、計算機科学の基礎となった。
初期理論アラン・チューリングが画期的な論文「計算可能数について、ならびに決定問題への応用」においてチューリングマシンの概念を導入した。これは抽象的な計算モデルであり、あらゆる数学的に計算可能な過程を模倣することができる。
初期理論アロンゾ・チャーチがラムダ計算を提唱した。これは関数の定義と適用のための形式体系である。ラムダ計算は関数型プログラミングの理論的基礎である。1936年のオリジナルのラムダ計算は型なしであり、チャーチは1940年の『単純型理論の形式化』で単純型を導入し、最古の明示的な型システムの一つを生み出した。
初期理論ウォーレン・マカロックとウォルター・ピッツが「神経活動に内在する観念の論理的計算」を発表し、最初の人工ニューロンモデル(マカロック=ピッツ・ニューロン)を提唱した。このモデルはニューロンを単純な二値閾値スイッチに簡略化したもので、後のニューラルネットワーク研究の基礎を築いた。
初期理論クロード・シャノンが「通信の数学的理論」を発表し、情報理論の基礎を築いた。エントロピー、符号化、情報量などの概念は、データを理解し情報を処理するための核心的な道具となった。
初期理論1955年、John McCarthy、Marvin Minsky、Nathaniel Rochester、Claude ShannonはDartmouth Summer Research Projectの提案で「Artificial Intelligence」という語を用い、1956年夏の研究計画を示した。
初期理論1956年夏のダートマス・ワークショップは、「artificial intelligence」という名称と研究課題を新たな学術分野の共通認識として定着させた。用語自体は1955年の計画提案ですでに使われていた。
AIの誕生アレン・ニューウェルとハーバート・サイモンが「ロジック・セオリスト」を開発しました。初期の代表的なAIプログラムの一つと見なされています。
AIの誕生フランク・ローゼンブラットがパーセプトロンモデルを提唱しました。初期の本格的な人工ニューラルネットワークモデルです。
AIの誕生ジョン・マッカーシーがMITでLisp言語を開発しました。AI研究のために特別に設計された初期の高級プログラミング言語です。
AIの誕生ニューウェルとサイモンは、J・C・ショーらの協力を得て1957年から1959年にかけて汎用問題解決システム(GPS)を開発した。問題解決の技法を個別の問題領域の知識から切り離すことで人間の問題解決を模倣しようとした最初のAIプログラムであり、目標の分解と下位目標の探索(手段目的分析)を用いた。
AIの誕生フランク・ローゼンブラットがパーセプトロン学習アルゴリズムの収束性を証明しました。
AIの誕生ユニメートは組立ラインで稼働した最初のロボットとなった。1961年、ゼネラルモーターズはニュージャージー州トレントンの工場に導入し、ダイカストマシンからの取り出し作業に用いた。高温の鋳造部品を機械から取り上げる工程である。Unimationは、人にとって困難・危険あるいは単調な作業を担わせるためにこれらの機械を製造した。
AIの誕生ラリー・ロバーツは1963年のMIT博士論文で、画像から単純な多面体の場面を解釈するシステムを記述し、初期の三次元コンピュータビジョンの重要な基礎を築きました。
AIの誕生MITは1963年、Robert Fanoの指揮下でProject MACを発足させ、タイムシェアリング、計算理論、機械支援認知を研究しました。1959年創設のMIT人工知能プロジェクトは後に参加しましたが、両者は1959年創設の同一研究所ではありません。
AIの誕生Marvin MinskyとSeymour Papertは『Perceptrons』を出版し、単層パーセプトロンが表現できることとできないことを厳密に分析しました。同書は後のニューラルネット研究への関心低下としばしば関連付けられますが、資金の変化には計算能力の制約、期待外れ、政策判断など複数の要因がありました。
AIの冬ジェームズ・ライトヒルがイギリス政府にAI研究の現状に関する悲観的な報告書を提出しました。
AIの冬スタンフォード大学が医療診断用エキスパートシステムMYCINを開発しました。
AIの冬DECがVAXコンピュータシステムの構成を行うエキスパートシステムXCON(eXpert CONfigurer)を導入しました。開発は1978年にカーネギーメロン大学で始まり、1979年に最初の導入、1980年までに本格稼働しました。商業的に成功した最初期のエキスパートシステムの一つで、同社に年間数百万ドルの節約をもたらしました。
AIの冬1970年代、批判的な評価と研究費削減を受け、AI研究の一部は停滞期に入りました。「第一次AIの冬」は後世の時代区分であり、影響の時期と大きさは国や分野によって異なります。
AIの冬1981年10月、日本はJIPDECと通商産業省による会議で第五世代コンピュータプロジェクト(FGCS)を発表しました。論理推論と知識処理を行えるコンピュータの開発を目指す、10年計画の国家プロジェクトです。1982年4月、新世代コンピュータ技術開発機構(ICOT)の設立によって正式に始動しました。
AIの冬デイビッド・ラメルハート、ジェフリー・ヒントン、ロナルド・ウィリアムズがバックプロパゲーションアルゴリズムに関する論文を発表しました。
AIの冬1980年代後半、成果を上回っていた期待は裏切られました。Lispマシンのメーカーは汎用ワークステーションに敗れ、いくつものAI企業が閉鎖し、DARPAによる基礎AI研究への資金は1987年から1989年にかけて減少しました。
AIの冬この低迷は特定の日付で終わったのではなく、徐々に和らいでいきました。多くの研究者はより控えめで達成可能な目標へと移り、ニューラルネットワークと確率的手法の研究の再興が新たな時代の基礎を築きました。
AIの冬ゼップ・ホッホライターとユルゲン・シュミットフーバーがLSTMを提案しました。
復興期ヤン・ルカンが手書き数字認識のための畳み込みニューラルネットワークであるLeNet-5を開発しました。LeNet-5は大規模に商用展開された最初期の深層学習モデルの一つで、1993年からAT&T/NCRの小切手読み取りに、1990年代後半からは米国郵政公社の郵便番号認識に使われました。
復興期Yoshua Bengio、Réjean Ducharme、Pascal Vincent、Christian Jauvinは、単語の分散表現と単語列の確率を同時に学習して次元の呪いに対処するニューラル確率言語モデルを提案した。これは前向きネットワークであり、RNNではない。
復興期2004年からCIFARのプログラムはGeoffrey Hinton、Yann LeCun、Yoshua Bengioらの定期的な研究交流を支えました。深層学習復興につながる協力を促しましたが、単一の普遍的な出発点ではありません。
復興期ジェフリー・ヒントンらは深層信念ネットワーク(DBN)を提案し、それを1層ずつ学習させる高速な貪欲アルゴリズムを示した。この層ごとの事前学習は、深層ニューラルネットワークへの関心を再びかき立てる一因となった。
復興期ImageNetチームは2009年、WordNet階層で大規模なラベル付き画像を整理するデータベース論文を発表した。ImageNetとその後の認識チャレンジは、大規模なコンピュータビジョン学習と評価の重要基盤となった。
復興期Microsoft Researchとトロント大学が、音声認識における深層学習の最初の大きな突破口を開き(Dahl、Yu、Deng 2011;Mohamed、Dahl、Hinton 2012)、単語誤り率を大きく下げました。Googleは2012~2015年にかけて、DNN/LSTMに基づく音声認識を製品に導入しました。
復興期アレックス・クリジェフスキー、イリヤ・サツケバー、ジェフリー・ヒントンのチームはAlexNetで2012年のImageNetコンペティション(ILSVRC)に参加し、圧勝した。top-5誤り率は15.3%で、2位は26.2%だった。
復興期OpenAIがCodexをリリースし、GitHub CopilotがAI支援開発時代の幕開けを告げました。
LLM時代2024年2月、Googleは混合専門家アーキテクチャと最大100万トークンの実験的コンテキスト窓を備えたGemini 1.5を発表した。
LLM時代Metaが80億パラメータと700億パラメータを含むLlama 3ファミリーをオープンウェイトでリリースした。
LLM時代欧州連合がAI法を成立させた。これは人工知能を対象とした初の包括的な水平的規制である。同法はリスクベースの分類を確立し、高リスクAIシステムに対する厳格な要件を定めた。
LLM時代2024年10月、Anthropicは改良版Claude 3.5 Sonnet向けにcomputer useの公開ベータを開始し、画面の確認、カーソル移動、クリック、入力をAPIから操作可能にした。
LLM時代2025年までに、AIエージェントは研究デモからプロダクションツールへと成熟した。コーディングエージェント、ブラウザエージェント、複数ステップのタスクエージェントが標準的な提供物となり、OpenAI、Anthropic、Google、オープンソースプロジェクトがいずれも有能なシステムをリリースした。
LLM時代中国AIラボのDeepSeekがR1をリリースした。これはコードと重みがMITライセンスで公開されたオープンウェイトの推論モデルで、OpenAIのo1に匹敵する性能を持つ。このリリースは、最先端の能力が米国AIの枠組みの外でも達成可能であることを示し、AI競争のグローバルな再評価を引き起こした。
LLM時代OpenAI、Oracle、SoftBank、アラブ首長国連邦のMGXは、4年間で5000億ドルを投じて米国内にAIインフラを構築する計画を共同で発表した。複数の大規模データセンターの建設を含む。
LLM時代AnthropicはClaude 3.7 Sonnetを公開し、一般提供される初のハイブリッド推論モデルと説明した。ユーザーは同じモデルの中で即答と拡張思考を切り替えられる。
LLM時代2025年3月、Anthropicは評価額615億ドルで35億ドルの資金調達ラウンドを発表。世界で最も評価額の高いAIスタートアップの一つとなり、AI業界の資本集中がさらに進んだ。
LLM時代MetaはネイティブマルチモーダルのオープンウェイトモデルScoutとMaverickを公開し、教師モデルBehemothを予告した。Behemothは当時まだ学習中で未公開だった。
LLM時代AnthropicがClaude 4ファミリー(Opus 4とSonnet 4)をリリース。「拡張思考」(Extended Thinking)機能を導入し、プログラミング、推論、長時間タスクを大幅に改善。AnthropicのエンタープライズAI市場での地位を確固たるものに。
LLM時代2025年8月2日、EU AI法のガバナンス規則と汎用AIモデルに関する義務が適用開始となった。他の条項には別の移行日があり、この日を全面的な執行開始と総称することはできない。
LLM時代OpenAIは資本再編を完了した。営利事業はOpenAI Group PBCという公益企業となり、非営利のOpenAI Foundationが引き続き同事業を支配する。両者の使命は同一である。OpenAIによれば、この再編はカリフォルニア州およびデラウェア州の司法長官事務所との約1年にわたる協議を経て完了した。
LLM時代2026年上半期、エージェント機能はデモから企業向け製品の実装へと移った。コーディング、サポート、オフィス自動化のエージェントが文書化された機能となり、ツール呼び出しやマルチエージェント連携の基盤も整ってきた。ただし普及がどこまで進んだかは定まっていない。何をエージェントと数えるかが調査ごとに異なるため、公表される導入率は大きく食い違う。本項は水準ではなく方向を記録する。
LLM時代2026年上半期、DeepSeek、アリババのQwen、Moonshot、智譜、Metaによるオープンウェイトの公開は、それまでクローズドな系にしか見られなかった規模に達した。重みとモデルカードは記述されるだけでなく実際にダウンロードできる。これらがクローズドなフロンティアに並んだかどうかは、どの評価指数を用い、どう重み付けするかに左右される。本項は順位ではなく、何がどのライセンスで公開されたかを記録する。
LLM時代NatureがCo-Scientistを掲載した。Geminiを基盤とする多エージェントシステムで、実験で検証可能な新しい研究仮説を提示する。論文は、薬剤の再利用、新規標的の発見、抗微生物薬耐性の機序の説明という三つの生物医学的応用における検証を報告している。著者らは研究者の代替ではなく助手として位置づけており、AIが解析だけでなく仮説生成にも関与することを示す査読済みの証拠となる。
LLM時代2026年6月11日の報道によると、MetaはAIエージェント企業Manusとの買収統合の解消を開始し、データ共有を停止して事業を分離した。報道は中国の規制要件との関連を伝えており、その後の法的・運用上の状況は最新情報で確認する必要がある。
LLM時代Anthropicは2026年6月9日、安全策を備えた一般向けFable 5と、審査済みのProject Glasswing参加組織向けMythos 5を公開した。6月12日の米国輸出規制を受け、国籍を即時確認できないため両モデルを世界で一時停止。規制解除後の7月1日、Fable 5は世界で、Mythos 5はまず承認済み米国組織向けに再提供された。
LLM時代2026年6月13日、ニューヨーク州司法長官主導の多州連合がOpenAIに対する調査を開始し召喚状を発付した。文書提出の対象には広告配信、利用者のエンゲージメントとリテンション、モデルの迎合傾向、未成年者と高齢者の保護などが含まれる。
LLM時代2026年6月29日、SamsungとSK hynixは韓国南西部のメモリ工場4か所を含む総額800兆ウォンの複数年投資計画を発表した。ドル換算は為替で変動し、範囲、承認、実行状況は継続確認が必要である。
LLM時代2026年7月1日、Googleは24時間稼働のエージェントAIアシスタント「Gemini Spark」をmacOS向けに公開した。リアルタイム追跡とアプリ連携の拡張を特徴とし、ユーザーのデジタル生活全体で継続的に行動できる常駐型エージェントとして、エージェントAIを一般消費者向けデスクトップに本格投入する。
LLM時代2026年7月、Moonshot AIはHugging FaceでKimi K3のオープンウェイトを公開した。モデルカードには総パラメータ2.8兆、活性化パラメータ1040億、コンテキスト長1,048,576トークン、ライセンスはKimi K3 Licenseと記載されている。総パラメータ数で見ると、公開時点で公開ダウンロードできる言語モデルとして最大級だった。
LLM時代2026年7月1日、CloudflareはAIトラフィックをSearch、Agent、Trainingの用途別に管理する機能を発表し、9月15日から新規ドメインでは広告ページ上のTrainingとAgentを既定でブロックし、Searchは既定で許可するとした。所有者は設定を変更でき、複数用途のクローラーには最も厳しい規則が適用される。
LLM時代2026年7月2日、Microsoftは、既存のAIツールを使った企業向けAI展開に特化した新事業「Microsoft Frontier Company」を発表した。25億ドルの投資と6000人の産業・工学の専門家を擁し、Amazon、OpenAIと同様のAI展開組織を立ち上げる動きに加わる形となった。
LLM時代2026年7月9日、OpenAIは限定プレビューを終えてGPT-5.6ファミリーを一般提供した。Sol、Terra、Lunaからなる。プレビュー期間中、OpenAIは専門機関や信頼できるパートナーと緊密に協力した。
LLM時代2026年8月2日、EU AI法が全面適用となり、AIオフィスと加盟国当局が実施・監督・執行を担うことになった。同じ改正により、負担の大きい高リスク義務は先送りされ、附属書IIIの単独システムは2027年12月2日から、規制対象製品に組み込まれたAIは2028年8月2日から適用される。禁止行為は2025年2月2日から、汎用モデルの義務は2025年8月2日から既に適用されていた。
LLM時代2026年9月2日、ARC PrizeはGPT-6 AstraのARC-AGI-3検証結果を十二通りのharness構成にわたり公表した。同一の半非公開評価セットで、標準harnessでは62.71%、これはモデルが残すと決めた覚え書きを持ち越せる構成である。Provider Adapter harnessでは98.55%、これは要求のあいだ推論状態を保持し、長い対話を圧縮する。Astraは96%のレベルで、試験を受けた人間の中央値より少ない手数で解いた。この数値はモデルと足場を合わせて測ったものであり、だからこそ両方を記録する。
LLM時代2026年9月3日、OpenAIはGPT-6 Astraのシステムカードを公開し、同社自身のPreparedness Frameworkにおいてサイバー能力のCritical閾値に達したと述べた。同社のモデルでこの水準に置かれたのは初めてである。カードは、防御の固いシステムでも人が逐一導くことなく未知の脆弱性を見つけ、新たな悪用手段を組み立てうるモデルとして記述し、機微な能力は信頼済みアクセス計画の下に制限されるとする。この分類はOpenAIが自社の枠組みで自社のモデルを評価したものであり、カードにAGIや汎用知能という語は現れない。
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